2012年1月14日土曜日

IT業界の「勝ち組」と「負け組」

最近、採用の仕事もやるようになったのだが、 今まで当たり前だと思っていた事がそうじゃないことに気づかされたりして興味深い。

色んな人と話をしていて共通して聞く話題として、 リーマンショック以降、SI業界はずっと業績が悪い。
不景気があれば当然回復もあるわけでこの状態は一見おかしいのだが、実は今の状態が「正しい状態」なのではないか。 


どういうことかというか、ITの利益というのはメリットが直接目に見えないため、 「競合がやっているから」などのネガティブな理由が投資のモチベーションになる。
リーマンショックのときに投資をストップしたことをきっかけに「あんまり困ってなくね?」ということになりそれまで無駄にお金を使っていたのに企業側が気づいたのではないか。

必要のないものを売っていた営業が悪いという立場もあるかもしれないけれど、 十分な価値を生み出せなかった作り手の責任だと僕は考えたい。
アクセンチュアでは特定の顧客から何億もの案件を取ってくるような営業のことを「神の手」というらしいが(笑)、 営業が布教する利益とモノ作りの成果物の価値が乖離しているため、 「どうせ営業が仕事とってくるからいいや」というようななあなあの体質になっているのではないか。

品質を価格に反映するようななんらかの方法を取らなければいけないと思う。 


採用活動をしていると、Web業界の年収が軽く500〜600万いっているのに対し、SIerで働く人は400万あれば良い方である。
プログラミングスキルの違いが原因ではなく、SI業界の悪い慣習を改善できてないからである。 

たとえば、
・多重下請け構造
・ドキュメント作成に時間をかけ実装を軽視する古い「ウォーターフォール」
こんなことを続けてはないだろうか。 (そういった意味ではできることはまだまだあるので、のびしろもまだまだあると思う。)

名指しすると、IBM、富士通、NECのようなメインプレーヤは率先してSI業界を変えて行く責任があると思う。
もしそのような会社で上記のようなことをやっているのであれば改善してほしい。 

もしこれを読んでいる人がSI業界にいて、古いやり方を引きずっている会社にいるようであれば(あなたが役員でないなら)東京にきて一緒にWebの仕事をしましょう!
冗談抜きでこのままいけば企業が使う全部のシステムがGoogleやamazonに組み込まれ、日本からSIerという会社が全滅する可能性も十分あります。


こうしている間にも、SI業界からWeb業界への技術者流入が始まっている。

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